ブタがいた教室

ブタがいた教室 (通常版) [DVD]

ブタがいた教室 (通常版) [DVD]

いのちに触れる―生と性と死の授業を読んだ その流れでこの映画を観た
最初提示された「食べるか 食べないか」という選択肢は
子どもたちの議論によって より具体的な選択肢に変化していった
これは当然のことで ペットは擬似家族だから 食べることはできない
ペットでなければ ペットにしなければ 食べられる
その意味で 人間は観念を食べているともいえる
矛盾しているが それが人間のありようなんだから
この授業は ほんとうにギリギリのところをついている
しかし結果 いのちを食べる授業と 同じ学習効果はもたらしたと思う


子どもたちの議論で いのちをめぐる問題はとことん出尽くして
意見が同数になってしまったというのは おそらく演出だと思うが
最後の先生の決断については「子どもたちを楽にさせたかった」以上のことは
映画のなかでは述べられていない
見た直後は なぜ理由を述べないのか疑問に思ったが
意見を言えば 二者択一のどちらかに与することになる
裁定者というか 大人としてというか 教師としての決断の仕方として
あれでよかったのかもしれない 問いは残しておいたわけだ
子どもたちは 決断者の意図の意味を 映画の観客と同様に ずっと考え続けると思う