風しもの村 チェルノブイリ・スケッチ―貝原浩画文集

風しもの村 チェルノブイリ・スケッチ―貝原浩画文集

風しもの村 チェルノブイリ・スケッチ―貝原浩画文集

福島第1原発の20キロ圏に留まる人々。ニュースでしか見聞することはないのだが、それぞれにいかなる思いを持たれているのだろう。
この画集で描かれている「サマショーロ」と呼ばれている人々、チェルノブイリの立ち入り禁止圏内で生活を続けている人々を連想する。
「故郷」とはなんだろう、自問自答する。

「ありとあらゆる知恵と金をもって、いまの状態から抜け出ねば、私達の享受する一切の文明生活なんぞ、一体何になろうか。次代がまだあると考えるなら、原発の起こした惨事が、決して他人事ではく、まさしく、日常に隣り合わせにひそむ私達共通の悲劇です。」


1992年5月、「石棺」のスケッチの隣に貝原さんが書いた文章。
チェルノブイリに思い至らなかった今、それは福島第一原発事故についての私たちに対するメッセージとなっているように思われる。
もう、繰り返し読むしかない。