機動戦士ガンダムUC 2

機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) 2 [DVD]

機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) 2 [DVD]

「人生においてあなたに一番影響を与えたものはなにか」と聞かれて、考えてみたらガンダムだった。
ファースト放映が学生の頃だから、それから人生の半分以上、ガンダムと歩みを進めてきたのだから、そう言わざるを得ないだろう。
現在も、HDD予約にしても、BSで「SEED」と「OO」を入れている。


これはその最新作ということになるが、すでに小説を読んでしまっているので、目新しいということはない。
この巻で大事だと思うのは、教会でのマリーダとバナージの会話だと思う。
過酷な現実で生きていくために、それが矛盾に満ちたものであっても、人はなにか(ネオジオン)を支えにせざるをえないということがある。
それを、汚辱にまみれることのない場所から、安易に批判できるものではない。
マリーダは強化人間であり、他者に依存するプログラムをされているという設定になっているから、この主張はそんなバイアスがかけられたと上での主張だ。


それに対してバナージは「心の中の可能性」について話す。
神に匹敵するようなものが必要ならば、希望とか願いとか、人間がその奥底に持っていると信じたい何か、それを神とすればよいというわけだ。
「可能性の獣」というこの作品のテーマに則って、技術や財力によって人の革新が起こるのではなく、希望というような形のないものをそれに当てよと主張しているわけだ。
これは、最後に明らかになる「ラプラスの箱」の正体にも関わる話だ。


内でも外でもよいと思う。外にある阿弥陀仏でもよいし、内なる阿頼耶識でもよい。というか、内でも外でもなかったりする。
なにかを信じて人は生きている。それがどのような働き、生き方を人にもたらしてくれるか。
そういう問題に関わっている会話のように思う。