歴史/修正主義
- 作者: 高橋哲哉
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/01/21
- メディア: 単行本
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彼らが知らないのは、自分が所属する国家がかつて犯した過ちを批判し、国家に「戦後責任」を取らせることによって自らの「戦後責任」を果たすことが、かつての国家の過ちと自分との連続性を断つゆえんだ、ということである。国家に「戦後責任」を取らせることは、侵略や戦争犯罪を行った国家にその過ちを認めさせることであり、かつての行為を是とする国家から非とする国家へと、国家そのものの性格を変えることである。
このレトリックには、驚いた。こうもズパッと切って考えちゃって、いいものだろうか?
あるいは、上野千鶴子が従軍慰安婦問題について、加害者と被害者にはそれぞれの物語があり、どちらが正しいかにについて、強者と弱者という権力関係が介在していると捉えていると。この上野が、両者の物語を認めており、「相対主義的論理」の立場だと、高橋は批判。2000年に結審した「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」の取り組みを紹介する。では、高橋が、何が正義だと考えているのかについては、もう一つ読み取れなかった。伝わってくるものがなかった。
高橋は、とにかく、切りまくる。公正を期すというか、おしなべて論理的に考えるという事なのだろうが、哲学者ってのは、ここまで言わなくちゃいけないのかなと思った。が、そこまでさせている?ジャック・デリダについての本が読みたくなった。もちろん理解できずに木っ端微塵だろうけど。