バタフライ・エフェクト

 あまり期待してなかったのだが、つぼにはまった。
 タイムスリップできるようになった男が、恋人の運命を救うために過去へ遡るのだが、どうしてもうまくいかない。必ず誰かを不幸にしてしまう。ここまではH.G.ウェルズ「タイムマシン」の焼き直しなのだが、まわりの人間をみな幸せにすることに成功すると、今度は自分が不幸になってしまうというのが、新しいかな。かなり、ブラックな展開で、過去を変えることによって凶暴な人間が、やたら信心深くなってしまうところなどは、かなり笑える。
 そして、だれも不幸にしないために、最後の最後に彼が取った方法には驚かされた! それは、恋人との縁を、最初から切っておくという選択だったw なんつー発想だ!
 まぁ、冷静に考えてみれば、そんなことで彼女を幸せにできるなんて決定はできない。しかし、少なくとも自分のせいで彼女を不幸にすることはないってことだなw これだけ苦しいなら、会わなきゃよかったなんて台詞はあるが、なんつー哀れで愚かな話だろう。
 ボクらはサイエンス・フィクションな世界には生きていないから、人生の行く先も見えないし、やり直すことなんてこともできやしない。そこでのたうちまわるしかないってこと。
 ああ、実に、笑える話だ。