戦争と平和 それでもイラク人を嫌いになれない
- 作者: 高遠菜穂子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/08/10
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
あの事件のときは、なにがどうなっているのかさっぱりわからなかった。マスコミしか見えてなかったし。それが、安心のファシズム―支配されたがる人びと (岩波新書)を読んで、行政府とマスコミの方向が一致してしまった「人質バッシング」のウラに、2chなど、インターネットの動向があったことを知った。
この本の後半には、人質事件の直前まで高遠さんが運営し、報告していたBBSの書き込みが載せられている。あまり面白くないのでこちらは斜め読みしてしまったが、ネットとの接点を持ち、自分の活動や考え方を公開していたことが、バッシングを招いた一つの要因であろう思う。
それにしても、拘束され、解放され、PTSDを病みバッシングを受けてどん底まで落ちるが、イラクの友人からのメールで再び活動を始めるという、当事者としての経験を記した前半は、現代の私小説だ。まぁ、すごい話だ。
現在も続いているバッシング。その文脈は、いまだに読み取れない。