高校生からわかる 日本国憲法の論点

高校生からわかる 日本国憲法の論点

高校生からわかる 日本国憲法の論点

 「高校生からわかる」とはありますが、この本を読み終えるのに、時間と忍耐が必要でした。法律は私には、どこか難しい。しかし、読み終えて、本当によかったと思いました。わたしの日常と憲法、いかに大きな関連があるかを実感できたからです。
 日本国憲法の第一章は天皇について書かれています。「基本的人権の尊重」「平和主義」「国民主権」がその基本三原則でありながら、なぜ天皇からはじまるのか? これを、「統治権の総覧者」の残滓なのだと、民主憲法といいながら不完全なのだと、ずっと考えていました。
 違ってました。そうじゃなくて第一章で天皇の権力に歯止めをかけている。

天皇の役割を規定した第一章は「国民主権」の裏返しのような存在」

ということです。
 それこそ、この本を読むまでは、法律というものは私を縛っている、というイメージがありました。そうではなくて、「法律は国民を縛り、憲法は権力を縛る」「日本国民に憲法を守る義務はない」というしくみが、とてもよくわかりました。
 実は先日、家族から「国に逆らうような運動には関わらないでほしい。将来、子どもが教員採用試験を受けるとしたら、親の思想調査もなされると聞くから」と言われました。いろんな意味で情けなかった。でも、情けないと思えたのは憲法があるから。憲法があるから、この件についても情報公開が徐々に行われてネット上でも公開されています。家族にはそのことを説明しました。
 でも、もし、憲法がなかったら。。。
 日本国憲法は、もっとも弱い人を守りたい、世の中が安穏であってほしいという願いからできています。
 だから私は、「改正」に絶対に反対します。