社会学入門―人間と社会の未来

社会学入門―人間と社会の未来 (岩波新書)

社会学入門―人間と社会の未来 (岩波新書)

 学生の頃、社会学の講義も受けたのだが、さっぱり面白くなかった。
 それ以来の出会いだったが、やっぱり面白くなかった。難しいし。。。
 しかし、使えるなと思ったことがあったので、メモしておく。
 というか、この本の言いたかったことは以下のことのような気もする。 

「社会」を成り立たせるの4つのパターンは、二つの次元の組み合わせで理解できる。
第一に「社会」は個々人の自由な意思によって、主体的に、これを形成することもあるし、また、個々人の行為の関係が、個人の意思とは関わりなしに、客観的に存立せしめてしまうこともある。前者を社会の「対自的」な(自由な意思による)存立の規制、後者を社会の即自的な(意識以前的な)存立の機制とよぶことができる。
第二に「社会」は、関係する個々人の、「人格的」な関係態として存立することもあるし、また、特定の利害関係等々に限定された、「非人格的」な関係態として存立することもある。前者を社会の「共同態的」(=「ゲマインシャフト」的)な存立の機制、後者を社会の「社会態的」(=「ゲゼルシャフト」的)な存立の機制と、よぶことができる。
 ごちゃごちゃしているが、これらの組み合わせによって4つの「社会」のあり方が導かれる。

  1. 共同体community(即自的な共同態)。伝統的な家族共同体、氏族共同体、村落共同体のように、個々人が、その自由な選択意思による以前に、「宿命的」な存在として、全人格的に結ばれあっている、という形で存立する社会。
  2. 集列体seriality(即自的な社会態)。個々人の自由な選択意思が互いにせめぎあい干渉しあうことの帰結として、どの当事者とっても疎遠な、「社会法則」を、客観的に存立せしめてしまう、という仕方で存立する社会。例えば市場。アダム・スミスの「見えざる手」、マルクスの「物象化」、サルトルの「集列体」。
  3. 連合体association(対自的な社会態)。「会社」とか「協会」とか「団体」等々のように、個々人がたがいに自由な意思によって、けれども「愛」による場合のように人格的な結合ではなく、特定の、限定された利害や関心の共通性、相補性当等によって結ばれた社会。「契約」や「規約」による「ルール」の設定とその遵守ということが、「連合体」としての社会の、典型的な、よく発達した、存立の形式である。
  4. 交響体symphonicity(対自的な共同態)。さまざまな形の「コミューン的」な関係性のように、個々人がその自由な意思において、人格的に呼応しあうという仕方で存立する社会。

(以上の引用は、手が入っています。)
 「社会」というか、人と人との関係を考えるについて、こういう分類ができるということを学んだ。
 この分類からいろんなことが考えられそうで、学問というのも大事なもんだと、分からないなりに考えたりしている。
 著者は「交響体・の・連合体」という社会の構想を提唱しているようだ。
 「家の宗教から個の自覚へ」、「差異を認める世界の発見」、「孤独の闇から響きあう世界へ」、「同朋社会の顕現」とか、我々はどんな関係・社会・世界を望むのか、ここからアプローチするのもありかも。