DEATH NOTE 2

DEATH NOTE 2 [DVD]

DEATH NOTE 2 [DVD]

 先日見た「ローレライ」に、ドストエフスキー罪と罰」が取り上げられていた。金貸しの老婆を学生が殺害する小説だ。世の中に役に立たない人間は殺しても問題ないという論理が働いているのだが、あの殺人は「自分の中の神を殺すこと」であったと、東京原爆投下を画策する軍人に語らせていた。その意味が分からなかったのだが、今頃になって気がついた。戦争責任をとらせるために、天皇を殺害しようとしたということだったんだな。これは余談。
 さて、この作品、コミックを先に読み終えたが、アニメの動画と音声で構成されたものはすんなりと入ってくるというか、内容がよく分かる。実写だと余計な情報が含まれているんで、やはりアニメが一番のめり込みやすいと思う。
 私自身、若いころ、夜神月と同じような考え方をしていた。世の中には役に立つ人間と立たない人間、よい人間と悪い人間に分けられる。人間が進歩するということは、合理と効率だけで物事を判断できるようになることだと。「罪と罰」や、「カラマーゾフの兄弟」に出てくる大審問官伝説、一部のエリートが羊の如き民衆を導いていく社会観に惹かれた。
 そんな自分の考え方を「冷たい」と思うようになったのは、助け合える家族や友人との絆を知ったり、手前味噌だけど真宗を通して「差別」という問題を少しずつ学んだからだった。
 このアニメを見て、夜神月を見て、そんなことを振り返ったりしている。