光の雨
- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- 発売日: 2002/12/21
- メディア: DVD
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映像化されて事件のイメージがはっきりするが、劇中劇という手法で悲惨さを和らげようとしている。あるいは、なぜ12人の殺害にまでにいたったのかを、役を演じた俳優たちに意見・感想を語らせることで、特殊ではあるが、われわれの日常とつながっている事件であると主張されている。たとえば、これはいわゆる「いじめ」であるという意見などが出されている。
議論によって次々とメンバーを「総括」に追い込んでいく森恒夫役の山本太郎の演技は実にうさんくさい。それに対して永田洋子役の裕木奈江の抑えた演技はリアリティがあって、実に怖い。
地下鉄サリン事件の裁判では教団のリーダーたちが本気で教義を信じていたのではなく、信者を操り富と権力を手に入れようとする「詐欺師」だったのではないかということが問われた。
狂気の山中を降り、アパートで仲睦まじい生活をいとなむ森と永田。
二人、それぞれは狂信者だったんだろうか。詐欺師だったんだろうか。
やったことに、変わりはないけれど。