大原問答 範浄文雄

すねいる いわゆる節談説教
数々の高名な論客からの浄土宗批判を 法然上人がたった一人で論破していく
その内容は 聖道門の先人たちが すでに念仏を正統な仏教として認めてきたことを 指摘することが主なのだが
最後は「なぜ西方浄土なのか」「西に浄土は実在するのか」という問題に行き着き
「生きとし生けるものが帰っていく方向」と いうなれば実存的な回答が行われている
こうした答え方は近代以前からなのか 近代以降の思想が影響しているのか 興味が沸くところ
それにしても熊谷直実こと蓮生坊は「住蓮山安楽寺鹿ケ谷因縁談」などと同様
上人の身を案じてやきもきする 愛すべきキャラとして 登場するわけで
聞き手の代表の役割を果たしているんだなぁと思った