ヒカルの碁
- 作者: 小畑健,ほったゆみ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2003/09/04
- メディア: コミック
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親鸞がこの世に現れて、教行信証の解説をしてくれたら、どんなに助かるだろう、なんて妄想したものだ。
こちらは少年の前に、突然、最強の囲碁の神様が舞い降りるという話。
しかし、少年が神様に決して頼らず、自分の実力でプロへの道を歩もうとする点が興味深い。
最終話が連敗で終わってしまうというのも面白い。
負けても負けても、ひたむきに歩み続けようとする姿がいいんだと思う。未完成の魅力。
オレもがんばろうという気持ちになれる。
これで終わりじゃない 終わりなどない
棋士も囲碁も関係ナシ 国も何もかも 関係ナシ
遠い過去と遠い未来をつなぐためにいる オレたちは だれもが
って台詞で、作品は閉じられる。なかなかシャレている。
というか、過去との対話、そしてそれを未来へと引き継ぐこと。
これがこの作品全体のテーマだったんだな。
前に生まれん者は後を導き、後に生まれん者は、前を訪え、連続無窮にして、願わくは休止せざらしめんと欲す。
無辺の生死海を尽くさんがためのゆえなり。(安楽集)
だな。
こうして夢中になって読める本に出会えることが、しあわせ。