当事者主権

当事者主権 (岩波新書 新赤版 (860))

この分野についての知識が不足していることもあって
なかなか読み進めることができず「つんどく」してあった本なのだが
くさか里樹「ヘルプマン！」を読んだことが非常に助けになった
「ヘルプマン！」で提起された介護保険制度の問題点と　理想とする企業体というのが
この本の内容と　ほとんど重なっているのだ

障害者における「自立生活運動」の大きな成果から
「福祉の客体から主体へ、さらに主権者へ」という当事者運動理念を
高齢者だけではなく、女性、患者、不登校者、ひきこもり、精神障害の現状と
照らし合わせ　提言を行っている

自立生活運動の担い手の一つ「自立生活センター」の組織論
運動体と事業体が統一されることの利点が紹介されている
一つの目的に向かって　当事者たちが運動と事業の担い手となっている
真宗大谷派教団も　同じような組織として検討できるのではないかと思った

あるいは当事者運動理念を拝借し
「解放の客体から主体へ、さらに主権者へ」「救済の客体から主体へ、さらに主権者へ」
なんてテーマとして考えても面白いかもしれない