鈴木先生 (1)
- 作者: 武富健治
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2006/08/11
- メディア: コミック
- 購入: 12人 クリック: 328回
- この商品を含むブログ (314件) を見る
道徳といった社会規範が力を失った現代社会を投影し
教師にも強制力が消えてしまっている
造られた濃厚な人間関係のなかで
それでも教育を成立させようとする教師の試みを通して
この社会で規範秩序は成立しうるのか 探る作品だと思う
○げりみそ
上のテーマを実現しうるような高い力を持つ教師だが
交際している女性とのプライベートな人間関係やこれまでの経験が
教室での指導力と共鳴し合っていることを描く
教室という舞台は閉じられた空間なのだが
話はそこに止まらない
えらく深みのある話をしているということだ
○酢豚
酢豚をめぐる趣向の問題が
いきなり終盤で 恋愛感情の問題と重ねられて
オチが着くので びっくり
○教育的指導
本音と建前
日本社会の規範道徳は公の場とプライベートで まったく違う働きをする
公ではなく 限定された人間関係のなかで
大人が子どもを指導したり 処罰することは可能かという難題
現実には こんなに整理して話は進まないだろうが
結論には目を見張るものがある