辺見庸さんのこと

このところ 危なくない程度に体調不良なんだが
朝 月参りに車を走らせていると
この雪のなか おそらくご夫婦が 並んで一心に歩いている姿を見かけて
ふと 辺見さんのことを思い浮かべた

先日のETVの映像もあったし 北陸中日新聞にエッセイでも書いていらっしゃったが
脳梗塞で倒れてから リハビリに毎日 街のなかを歩き ビルの階段を登っている
リハビリと言っても 今の状態以上によくなることはなくて 休めば 悪くなるだけだそうだ
なにか 修行のようだが それでも 今の状態を楽しんでいるとおっしゃっていた

辺見さんは今 左手だけで携帯を打って 文章を書いている 
勝手ながら あの人を 支えているのは 今もなにか表現できるということじゃないかなと
時代を的確に捉えて それを文章にできるという
自他共に認める文章力が残ったことが 辺見さんを支えているのではないかと想像する

私だって 血圧の薬を毎日飲んで 命永らえている
薬がない時代 人生50年の時代に生まれていたら とっくに死んでいるのかもしれない
そろそろ 別の薬をもう一錠か二錠は飲まなくてはならなくなりそうだ
その意味では ちょっと考えすぎかもしれないが もう余生に入っているような気がしてきた
命を何に使うのか というか ただ延ばすだけに生きていると考えるのは
どうにも カッコ悪くないか?

その意味では もう自分の老い 体調を嘆いてもしょうがないんで
どんな情けないものになっても 必ず救うと弥陀が誓ってくださった
他の手段を使うことを戒めてまで ただ「なむあみだぶつ」称えよと
先人たちが伝えてくれた教えを 周りの人々と共有して 共感していきたいと
そんなふうに 思ったことでした