海のトリトン


このアニメ 放映当時 興味がわかず ほとんど見ていなかった
手塚治虫の数あるアニメ作品の一つだろうと思っていたのが
手塚は原作だけで 西崎義展の初プロデュース作品
富野由悠季の初監督作品だと知って 驚いた
「BSアニメ夜話」で取り上げていたが 最終回
自らを被害者と思って戦っていたものが 実は加害者であったという事実が明かされるという
宇宙戦艦ヤマト」の終盤と似たような内容で
しかも ほとんどなんのフォローもなく 唐突に終わったらしい
これを 同時代にこの作品を見ていた小谷真理は SF作品にある
視野が広がり 己の世界の小ささを知らされる展開と解釈
これをうけて 作り手の側 作画監督 羽根章悦は
番組の打ち切りのため 後半を省略して詰め込んだ最終回であったと
小谷の解釈に戸惑いつつも 感銘していたように見えた
原典より評論の方が より深く広い内容を持つということはよくあることで
浄土教においても 経典の「過剰解釈」というか
釈尊がそれを本当に意図して発言したかということは 問題にする必要がないくらい
すさまじいほどの読み込みをしているということがある
「夜話」を見て 情報を発する者 受ける者の関係について考えたことであった