町でうわさの天狗の子 3

町でうわさの天狗の子 3 (フラワーコミックスアルファ)

町でうわさの天狗の子 3 (フラワーコミックスアルファ)

先日 法要の後 お斎の待ち時間 天狗の話題に花が咲いた
昔 誰かが突然いなくなったとか 超自然現象がおきたとか だから天狗は確かにいるに違いないと
私たちの世代ならUFOや宇宙人の話題とするものが 先輩たちの間では天狗になるようだ
それが自然への敬意とか 一つの信仰となる点で 色合いが違うのだと思う
このコミックはラブコメ修験道の世界を合体させるという
意外な取り組みだが 読んでいて面白い 作者の修験道への関心の高さが伺える
現在の山岳信仰というと神道の専売特許のように操作されているが
天台系 真言系 修験道のメッカであり 浄土教とも密接に関わっていた
その意味で 国家神道 国から厳しく統制される国家至上主義とは違って
とても大らかに自然を愛し 日常生活に浸透するような内容だった
だから 現代を舞台とするこの作品のかもし出す柔らかな雰囲気 恋と修験道の組み合わせは
当時の修験道の性格を それなりに復活させているのではないかと思う
明治の神仏分離 廃仏毀釈浄土真宗も打撃を受けたが
修験道への弾圧は過酷で ほとんど壊滅させられたと言ってもよい
失われた修験道への信仰体系というのはどういうものだったのか
そして 親鸞に義絶された長子 善鸞修験道へ移っていったといわれることもあり
真宗との関係は 対立だったのか 協調であったのか 興味がある
あと 少女漫画特有の 会話がかみ合っていないようで
なんとなく雰囲気で かみ合っているという これまたほんわかな世界とか
学校生活での女子の縄張り意識とか自意識過剰みたいな話が けっこう面白かったりもした

(追記)
後で調べると 修験道は女人禁制という考えと密接に関わっており
恋と修験道の組み合わせについて 短絡的なことを書いたかなと反省しております