ありふれた奇跡

ありふれた奇跡 [DVD]

ありふれた奇跡 [DVD]

山田太一といえば いい作品がたくさんあるが 今回のドラマは「沿線地図」に似ているなと思った
30年前の作品だから もう記憶もおぼろげだが 未成年の男女が同棲をはじめることにより
二人の二つの家族が その成立根拠を問われるという内容だったと思う
しかし いまや根拠や意味を問うどころか 家族自体が崩壊してしまっている
今回のドラマ中でも 形骸化してしまっている二つの家の人間関係が描かれるのだが
自殺を試みたことのある男女が 初回と最終回に 二つの命を救うことにより
ひとつの家族が生まれて 二人も結婚
結婚に反対していた祖父が「他人」家族を受け入れて その一員になる
泥沼の中に咲く蓮のように 三つの「家族」が生まれるという内容となった


ハンセン病療養所にいらっしゃる方に その人生をお聞きするということがあった
夫が発病 付き添って入所 それ以来 おつれあいが亡くなられて
そのままずっと療養所に住んでいらっしゃる
出所できたのに なぜ留まられたのかを聞いたところ
「愛の力です」と 笑いながらおっしゃった


この歳になると 私も「家」「家族」「血」というものにとらわれるということがある
「家」を維持するのも 壊して再生するのも「愛の力」なんだなと考えたりした
ちょっと ロマンチックがすぎるかな???