大平正芳―「戦後保守」とは何か
- 作者: 福永文夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/12/01
- メディア: 新書
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私を形作った70年代 80年代とはいかなる時代であったのか 関心がある
その中で この頃よく取り上げられるのが大平正芳だ
「鈍牛」と言われて 何も考えていないような
ただ税金を上げることしか言わなかった首相という
茫洋としたイメージだけが残っているのだが
実は 深い政治理念を持っていた人物だったとして 再評価されている
(政治は)両立の難しい相反する二つの要素を 両立させうる存在に自らがなることから始まる
これは鈴木先生 8 (アクションコミックス)の台詞だが
ポーランドを独裁政権から民主化へと導いた「連帯」のワレサ書記長の本や
稲葉振一郎ナウシカ解読―ユートピアの臨界にも 同じような思想が書かれていた
平和憲法と日米同盟 あるいはアジアと欧米という
相反する要素を二つの中心とする楕円を この政治家は 意図して描こうとしていた
憲法改正を迫る「逆コース」ではなく
国民生活の豊かさや幸せを重視するのが 大平正芳の政治理念であったことを学んだ