マンガと「戦争」

マンガと「戦争」 (講談社現代新書)

マンガと「戦争」 (講談社現代新書)

過去のマンガを 戦争をテーマとして読み解いていく
気が付かなかった大切な部分を教えられる


たとえば白土三平作品におけるト書きの重要さや
紫電改のタカ」 最後の出撃シーンの台詞

ただ 自分の死が 祖国に日本を救うことに
なるだということばを 信じようと 努力しながら・・・

「努力」という言葉に込められた 深い意味を学んだ


そして80年代 90年代 世代が変わり
読者たちから戦争の記憶が消えていくにつれて
マンガの中の戦争は 実に曖昧に 遠いものになり
明確な態度を取ることが「かっこわるい」ことになっていく過程も読み取れる


この本は1997に出版されている
あの時は こんな雰囲気だったなと思う
しかし 2001年 9・11 世界同時多発テロを経て
もう「かっこわるい」なんて 言ってられない
現実に目を覆いたくなるのは そのままだが あの時代より
こんなにも戦争は 私たちの身近に感じられる出来事になってしまっているのだと
読み終わって 複雑な気持ちになった