「小説家をみつけたら」再考

小説家を見つけたら [DVD]
昨夜、なんと高校生になってる夢を見ました。同級生がみな頭よく見えて、劣等感におちいって、こう、身が縮こまって常に警戒している感覚。私の高校時代は、実際そのようなものでした。それで、目が覚めて、主人公の気持ちが少し分かったような気がしました。というか、映画が夢を見させてくれたんだな。
ジャマールは、自分の誇りのためにフリースローをはずした。TVでそれを見たフォレスターは彼の気持ちが分かったんでしょう。解放されたように自転車で外を走った。次の日、フォレスターはジャマールを助けに行ったというよりも、世間を省みず、自己保身もしない彼の純粋なる「誇り」に引き寄せられたんだな。世間から逃げていたフォレスターを、教え子であるジャマールのほうが救ったというラストだったんですね。
昨日は、誰にも謝らないジャマールに嫌悪のようなものを感じました。しかし、向こう見ずな若さが「誇り」となっていて、それが彼の差別と戦う原点になっているんでしょう。
私も中堅となってきて、少しづつ、自分より若い人と一緒に仕事をすることが増えてきました。そんなとき、彼(彼女)らの純粋さが青臭く見えるということが多々あって、その辺りをおちょくりたくなります。高校生になった息子に対してもそういうことがあります。
でも、歳をとったオレは、「誇り」みたいなものを、あれからずっと失い続けているんじゃないだろうか。
そんなことを考えています。