Little Birds -イラク 戦火の家族たち-

Little Birds -イラク 戦火の家族たち- [DVD]

Little Birds -イラク 戦火の家族たち- [DVD]

 購入した後、すぐにパッケージを開くことができなかった。わたしのような甘い人間にとって、自分を告発してくるようなものに触れるのには、とてもエネルギーがいるのです。(実は、「神の子たち」もなかなか見る気になれなかった。)
 富山上映会で見た時より、とても映像が鮮明だった。そのぶん、今のイラクで起こっていることなのだという現実味が迫ってきたのに、後半になるにつれて頭が麻痺してくるような感じがした。戦場を仮想の出来事としておきたいという、拒否反応みたいなものだろうか。
 特典映像でクラスター爆弾の破片で視力を失った少女、爆撃で3人の子どもを失った家族のその後の様子を知ることができた。でも、クラスター爆弾で右手を失った少年はどうしているんだろう。町中に落ちて人々を苦しめている不発弾は、どうなっているんだろう。
 サマワ自衛隊が、ほとんど外に出ず、現地の信頼を失っていくようすもよくわかった。隊員たちにもいろいろな思いがあると思うけど、復興支援というより自国の体面だけで送り出したのがあからさまで、とても情けない。
 話は変わるが、綿井健陽監督がNHK「課外授業 ようこそ先輩」に出演したときのことを思い出している。映画を見せてから彼が子どもたちに出した課題は「(身近な)幸せを撮る」というものだった。この展開には戸惑った。拍子抜けというか、なんでそうなるんだ? 私ならイラクや様々な国の実情を学ばさせたりしそうだが。
 いろいろ考えているんだが、イラクをみてきた彼には日本の子どもたちが幸せに見えてしょうがなかったんじゃないだろうか。なんとなく、それだけだった気もする。よく分からんけど。