13F

 日本では4階のないホテルが多いように、キリスト教圏では13階がないようです。13を避けるのはユダを13番目の使徒とする説と、イエスの命日を13日の金曜日とする説がネット上には見つかりました。とりあえず「13F」とは存在していない空間という意味です。
 そういえば、「ユダの福音書」についての話題が最近ありました。そこには「お前は、真の私を包むこの肉体を犠牲とし、すべての弟子たちを超える存在になるだろう」と書いてあるそうです。つまり、ユダはイエスから物質である肉体を取り除くことによって、内なる真の自己、つまり神の本質を解放した。ユダの裏切りと言われていた行為は、イエスの指示だったというんです。なんとも、驚くべき展開ですな。
 さて、この映画はコンピューターの中に1930年代の仮想空間をつくりだした主人公が、じぶんたちの生きている世界までも、未来人がつくりだした多くの仮想空間の一つにすぎなかったことに気づいてしまうという、マトリックス多重世界みたいなお話しです。ハリウッドで盛んに撮られるB級SFサスペンスですけどね。しかも、やたらお金がかかってるw
 このなかで面白い台詞があります。自らが虚仮不実、まぼろしであることに絶望する主人公にヒロインがかける言葉、「あなたそれを見破った、その意味がわかる?」。みずからが虚偽であることを知った、それは真実を手に入れたということになる、ということでしょう。
 まぁ、実際、我々に本当の自分、真の自己があるなんて思い込みに過ぎないし、この世界が本当に存在するということも誰にも証明できない。だけど、諸行無常という事実は確実に正しいということはあります。そこからはじまるんだよな、何事も。
 B級なこの作品、ハッピーエンドだとみている人が多いようですが、最後の最後の終わり方は、実は相原コージですw 笑わせてもらいました。