家の鍵


 家の鍵
 「障害」を持った息子と再会し、徐々に父親として目覚めていく男の話。
 ヒューマンドキュメントでも熱い感動の物語でもなく、淡々としたつくりの映画になっている。
 家族や親子の絆というものは、生まれながらに出来ているものではなく、自覚するものであり、作っていかなければならないものだという思いを強くした。
 ラスト、わがままを嗜めたところ、息子が出会ったときと同じ台詞を繰り返すのを聞いて、若き父は絶望して泣く。
 我が子は成長してくれない、なにも変わっていかない現実に泣いたんだろう。
 でも、涙をぬぐって、その子と共に立ち上がっていく姿に、静かに、感動した。