落陽

落陽

落陽

 先日、チャンネルを回したら、たまたま吉田拓郎が「落陽」を歌っていた。
 「今日までそして明日から 〜吉田拓郎・35000人の同窓会〜」というNHKの番組だった。

 その後も第一線で歌い続けてきた拓郎。3年前には肺がんが発覚したが、手術と懸命なリハビリで克服してステージに復帰した。そんな拓郎がぜひもう一度開きたいと考えたのが、かぐや姫とのつま恋コンサートだった。今回のコンサートに集まった観客は平均年齢49歳。31年前の若さや熱気は影を潜めたが、これまでの野外イベントにはない、純粋に音楽を楽しむ大人たちの笑顔と歓声があふれていた。70年代、若者のカリスマだった拓郎は今、新たに大人の時代を切り拓いているのである。

 少々むくんで顔色が悪い拓郎もなんだが、ショックだったのは観客たちの姿だった。


 ほんとうに申し訳ない。暴言を許してほしい。
 「老い」ということを、痛切に感じた映像であった。
 あのころはみんな、ホンマに若かったのに。。。
 「平均年齢49歳」の世界が、正直、怖かった。恐ろしかった。
 49歳というと、オレのほんの数年後。
 オレがあそこにいても、まったく不思議ではない。
 でも、それがなかなか認められないんだよなぁ。

 拓郎はなんで若いときに、「落陽」なんて、陽が沈むことを唄にしたんだろう。
 西を向いて歩いていく覚悟ができていた?
 なんだが今のオレたちにあまりに似合いすぎて、笑ってしまったことであった。