枕草子
枕草子 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
- 作者: 角川書店
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2001/07/25
- メディア: 文庫
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それで、この本の世界に入っていけるようになったかなと、読み始めたのだが。
にげなきもの 下衆の家に雪の降りたる。
また、月のさし入りたるも、くちをし。
この一文を読んでしまったら、もう受け入れらなくなってしまった。
時代や環境ということがあるし、この文だけが「枕草子」のすべてではないし、物事はすべていい面だけでできているわけでもない。もちろん私も限定された価値観でしかものを言えていない。
けど、やっぱり、途中で読めなくなってしまった。
清少納言が仕えた中関白家の栄華は一年半に過ぎず、勢力争いに敗れてあっという間に凋落してしまったという。「枕草子」には雅な貴族の世界が綴られているが、宮仕えを終えてから書かれているのに、そんな哀れな部分については触れられていない。
なぜだろう?
晩年、京都郊外でひっそりと暮らしたという彼女は、どういう心持でいたのだろう?
書かれていない、彼女の思いが知りたくなった。