わが八十歳に乾杯―在日朝鮮人ハンセン病回復者として生きた(再読)

在日朝鮮人ハンセン病回復者として生きたわが八十歳に乾杯

在日朝鮮人ハンセン病回復者として生きたわが八十歳に乾杯

 波乱万丈の半生が赤裸々につづられています。
 1999年の国賠訴訟において、ご自分が在日韓国・朝鮮人であるからこそ、率先して原告になったと書いていらっしゃることが印象に残りました。差別に立ち向かう者として、一貫して、ハンセン病回復者が「人間の尊厳」を国から取り戻す原告となる決断をされたのだ、ということだと思います。
 勝訴一周年記念シンポジウムを富山で開催したとき、金さんはパネリストとして参加してくださいました。「もし私が里帰りするとすれば、多くの方々との連帯の中で生きていきたい、それによって自分はハンセン病であることを自己解放する。そういう生き方で、社会入りしたい」というお話が記憶に残っています。この本を読んで、お話の背景が分かったように思いました。
(ハンセン懇ニュース 原稿)