鈴木先生5・6

鈴木先生 5 (アクションコミックス)

鈴木先生 5 (アクションコミックス)

鈴木先生 6 (アクションコミックス)

鈴木先生 6 (アクションコミックス)

コドモのコドモ」は小学5年生の妊娠ということだったが
鈴木先生」には中学2年生が小学4年生と「つきあう」という問題が正面から取り上げられていたから
私の中で耐性ができていた気がする
さて 第6巻 鈴木先生の いわゆる「できちゃった婚」が
生徒たちに裁かれるという展開へ突入する
被告の先生を取り囲んでの審議がはじまるわけだが
それがそのまま これまでの自分たちが受けてきた教育を振り返り
それをそのまま実践するということになるから驚きだ
ポイントは5巻の「掃除当番」で提起された
「普通の人間どうしの間で衝突が起こる」という問題だ
人間が二人いれば 必ず価値観の相違がある
そのなかで他者を全否定することなく
認める部分と認められない部分があることを総合的に受け入れていく
だからどちらが正しい 間違っていると 裁くことはしない
怨憎会苦ということをじっくりと考えることが 立派な人間になること 
そして 些細な発言においても いささかも他者を揶揄することは許されない
差別や偏見はそのような形で現れてくる
鈴木先生の教育が 上から下への押し付けでもなく 教条主義でもなく
一人一人が民主主義の実践者として振舞うとはどういうことかを学ぶものであったことが
この裁判によって 明らかにされていく