悩む力(追々記)

悩む力 (集英社新書 444C)

悩む力 (集英社新書 444C)

急速な近代化によって既成の価値観から切り離された人々は
いきなり自由を与えられて どう生きたらよいのか悩み始めたとして
この本は夏目漱石を取り上げているわけが それと同時に
個々人 マイノリティを「国民」へと強制的に統合をしていく
国家至上主義が集中的に啓蒙教育され 日本はファシズムへの道を進んでいった
フロム「自由からの逃走」が取り上げられているけれど
それはマックス・ウェーバーのドイツも同様で
在日二世の姜尚中氏が「自由」「悩む力」の対称項として
「国」の章を立てていないのは実に不思議である
それに対して「宗教」の章は立てていて
宗教は自由 悩む力を明け渡してはいけない対象として書かれている
釈尊 親鸞の教えに共感し 先人なら現実の諸問題にどのように応えるだろうか
念頭に置いて 生きていきたいというのが 私の生き方
人間というのは 二人だけであったとしても 衝突する生き物
価値観の違う人を 是非に立って ただ否定するのではなく
いかに共存していくかを 探り続ける 悩み続ける力を求めたいと思っている