サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇

サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇 下 (2) (アクションコミックス)

サマヨイザクラ裁判員制度の光と闇 下 (2) (アクションコミックス)

裁判員制度の功罪 集団による悪の恐ろしさ そして冤罪
これらの3つの要素が複合的に描かれていて論及しにくい
それがこの作者の特徴とも言えるかもしれないが
そんなに簡単に整理できないのが 現実問題だということもなのかもしれない


裁判員制度の功罪
審議においては 判決に「感情」を入れないことを求められる
一般人が感情を押し殺して冷静に裁くということが どういうことになるのか
やってみないと 分からないということがある
裁判に一般人が参加することによって それぞれの社会との関わり方が変わるともいわれる
しかし そのために 死刑を申し渡すこともある裁判に参加させるのか?
市民が裁くという歴史伝統がなかった日本社会に この制度が根付くためには
これから 命を左右する裁判に 長い長い試行錯誤状態が始まることになる
秘密保守が破られたり 賄賂が使われたり 新たな怨恨を生んだりするのだろう


集団悪
学校・地域でのいじめ 企業によるリストラ そして戦争
多数が少数を 社会が個人を抑圧差別するということがまかり通る
個人の悪は裁けるのに 集団の悪は裁かれない 不公平


冤罪
冤罪は起こりやすいということが描かれてはいるが
だれかをかばうために 真実を語らず死刑に処せられようとするというのは
モリのアサガオ」と同じ話で ドラマチックではあるが
現実にあるのだろうか 隠されてしまうのだから分からないだろうけれど

ということで レビューも 整理つかず