エコ・テロリズム―過激化する環境運動とアメリカの内なるテロ
エコ・テロリズム―過激化する環境運動とアメリカの内なるテロ (新書y)
- 作者: 浜野喬士
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2009/03/06
- メディア: 新書
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グリーンピースやシー・シェパードの成り立ち 思想的背景を解明
基本的にアメリカという国自体が「暴力革命」によって成立している一面があるから
陪審員制度のように 倫理は市民が参加することで作り上げるとか
あるいは「ダーティーハリー」のように正義を暴力で示すような伝統が存在する
そして 権利というものに敏感というところがあって これはキリスト教と直結するが
自らを主張することのできない「被創造物」 自然 森林や鯨を代弁
さらに 終末思想だろう 地球環境が破壊された後の世界を想像するということが
この過激な運動の背後にあるということだ
確かに この独善的過激ぶりは 傍から見れば歪と言えるが
この本の「あとがき」に とても重要な指摘がある
近年西洋が「発見」したと称する自然についての語りは、アニミズム渦巻く東洋にとっては、とっくに自明で、かつあまりにも近しいものであり、他方で同じ被造物としての動物に向けられる同情と熱狂は、あまりにも遠い。
ここを読んで私はハッとした
現代日本人の気質に 仏教が関わっていることは自明だが
死刑制度 生命倫理等に関する 西洋と比較しての我々の人権意識に対する希薄さは
「諸行無常 諸法無我」と連動しているのか? (この議論 続く)