青い鳥

青い鳥 (新潮文庫)

青い鳥 (新潮文庫)

捜し求めた幸せは 実は身近にあったという喩えとして使われる作品だが
実際はどんな内容だったのか 買い求めて読んでみた
久しぶりに「文学」を読んだ という気分になった


「クリスマスキャロル」と同じように クリスマスの一夜に 長い長い旅をするという話
不思議なダイヤモンドの力によって 日常では見えないものが見えてくる
亡くなった祖父母や兄弟たちと再会したり
殺戮し伐採している動物や森林から 人間に対する怒りを受けたり
これから生まれてくる子どもたちの希望や絶望の様を見たり
その中に 日常のなかに隠れている「幸福たち」に出会うという場面もあるわけで
帰宅したときには 見えないものが見える智慧の眼のようなものを身につけて帰ってくる
といった話だった


面白いと思ったのは 兄妹は捕まえれば幸せになれると思って青い鳥を探しているのではなく
妖女に依頼されているだけで 青い鳥を見つけても すぐに他人にあげてしまうところだ
そして 鳥はすぐに飛び去ってしまう


青い鳥は 決してずっと捕まえておけない鳥であり 捕まえられないことに悲しむより
それを追い求めることによって 様々なことを学ぶことにこそ意義がある
そういう話かなと思った