破戒と男色の仏教史

破戒と男色の仏教史 (平凡社新書)

破戒と男色の仏教史 (平凡社新書)

著者は 現代に戒律を蘇らせたいという主張をお持ちなので
親鸞はどのように扱われるのか ちょっとどきどきしながら読み進めてみたが
なぜか そこは すんなりと通ってしまったので 拍子抜けした
女性差別 ハンセン病問題に対して現代的な視点から評価するというところがあって
仏教界に蔓延していた男色を 児童虐待と考えるのだろう しつこく糾弾している
親鸞もその犠牲者だから そこが二重に(?)裏返って 無戒を主張したという論理のようだ


まぁ「無戒名字の比丘」を主張するに至ったのは 個人的な問題もあったろうが
同時に 戒律に捉われていた僧侶たちを超えて
仏教に帰依する「真の仏弟子」ということを
仏教徒を名乗ろうとするあらゆる境遇の人々へと広げていく
戒律に捉われていたら 本当の意味での大乗仏教は実践できない
というということだったと 私は 考えます

あと 戒律と死穢の関係についての指摘は面白かったです
ああ あと「真弟子」(僧の子)という言葉を はじめて聞きました