生きにくい子どもたち―カウンセリング日誌から

生きにくい子どもたち―カウンセリング日誌から (岩波現代文庫)

生きにくい子どもたち―カウンセリング日誌から (岩波現代文庫)

カウンセリングの現場 臨床心理士という仕事のドキュメントとも言える内容
瞬時に直感的に物事は動くのだが そこに 心の裏の裏の裏を読むような推測をして
患者と向き合う とても 緻密なお仕事だと思う
そこで 見出されてくるのか かつて河合隼雄さんが紹介されていた
ユングの「原型」「集合的無意識」という概念だ
人間の心の奥底 あるいは深層にある 成長の「物語」
この本ではかぐや姫がそれにあたるが まさに美しいかぐや姫が成長し
月へと帰っていく物語を 一人の現実の少女が 過酷な現実との葛藤のなかで
演じていくような なにかファンタジーを思わせるような内容ともなっている


「物語」には 終章 結論めいたものが設けられる
すすむべき方向を自ら見出すことが困難な時代だが
ある意味 自分の範疇の内にない事柄から
それなりのゴールを与えられることで 先に進む事ができるということはある


ただし カルト問題が その周辺にあることだが