NARUTO (巻ノ48)

NARUTO -ナルト- 48

NARUTO -ナルト- 48

この作品におけるキャラの作り込み その深さに かなり感動してしまっている
戦いを重ねるうちに その前の戦いの意味が やっと分かってくるという
それくらいの考察が練られている


兄イタチが自らの一族を滅ぼしてまで守ろうとした木の葉の里を
なぜ サスケは襲おうとするのか 分からなかった
それが 今 連載されているダンゾウとの戦いのなかで見えてきた気がする


イタチは一つの組織のなかでの使命を 両親を殺害することであっても 自ら 果たした
残酷であっても それは忍という組織において 当然 とされることであった
サスケは その「組織」というものに怒りを持ったのであろう
一個人に自分の家族を殺害させてまで守ろうとする木の葉の平和とはなんなのか?
その意味で 上層部にいて 兄に非情な命令を下したダンゾウに 詰め寄っているわけだ


確かにサスケの復讐は イタチの思いとは逆行している
イタチは 最期まで すべてを背負い 忍んで 黙って死んでいこうとしていた
それでも イタチは サスケだけは最後まで守ろうとした
その意味では イタチも組織に何もかもゆだねていたわけではなかった


48巻はペインとナルト 同じ師をもつ二人の戦いが描かれている
ペインもまた 戦争によって両親を殺害され 核のごとき抑止力を持つとされている
九尾の力で 力による平和を目指している


そのペインがなぜ ナルトに自ら屈したのか
それは 目の前で親友や師を殺されても 復讐心に駆られても
犠牲を重ねていくことを拒否し それでも平和を願う弟弟子
ナルトの姿に かつての師匠の教え そして かつての自分を見たからなのだろう


アクションだけではない 戦争の意味を問い続けるこの作品に
私は 今年の(?)こころおきらくマンガ大賞を贈ることにしました
勝手ながらおめでとうございます